1月18日|『水木しげる漫画大全集』を読む日々 vol.013

 NHKオンデマンドを契約したのは、昨年4月のはじめだった。緊急事態宣言が出る直前のことだ。

 直接のきっかけは、星野源がラジオで『夢であいましょう』の素晴らしさについて語っていたからで、その放送は契約してすぐに見た。NHKではないが、同じ時期にネットサービスで『8時だョ!全員集合』もいくつか見た。志村けんが亡くなった直後のことで、そこでようやくほとんど知らなかったドリフの世界に触れた。テレビっておもしろいんだなと、しみじみと思った。しみじみしたのは、そのおもしろさが、いまの時代にほとんど感じられないからかもしれない。

 最近は、『100分de名著』がかなりアーカイブされていることを知り、こつこつと見ている。『新日本紀行』も上がっているし、ゆくゆくは『街道がゆく』も見たい。

 見たい番組が多くあり、見切れなくて困るほどだが、NHKオンデマンドにおいて言葉通りの意味で困るのは、出演者に何か不祥事があった場合に、すぐに放送が見られなくなってしまうことだ。たとえば昨年のうちに大河ドラマ『龍馬伝』や朝ドラ『スカーレット』が見られなくなってしまった。

 こういうことがあるので、見たい番組については平穏であることを祈らないといけない。頼む、『ゲゲゲの女房』関係者は誰も法に触れることをしないでくれ、と。


 朝ドラ『ゲゲゲの女房』の原案となった同名の本を読み終えた。水木しげるの妻の自伝だ。

 水木しげるが亡くなった後に出た続編もあるのだけれど、それを読むのはもう少し先にしようと思っている。

 水木しげるに関する本が、最近になって増えている。知識を持つことが、純粋さを失うのであれば、知識なんていらないのかもしれない。でも、知識を持ちつつ、純粋さを失わない、そのやり方を僕は模索したい。模索し続けたまま今年が終わってしまったとしても(つまりこの全集読破日記が終わってしまったとしても)かまわない。やったことがないことをやろうと試みているのだから、その結果、確固としたものをつかむことができなくたって、それはそれでオーライだ。