2月17日|『水木しげる漫画大全集』を読む日々 vol.027

 『労働者のための漫画の描き方教室』(川崎昌平/春秋社/2018)を読んで以来、最初から〈本〉にすることを想定してはじめることには企画書を作ることにしている。している、と書いたが、いままで企画書を作ったのは、日記本第1巻(『言葉に棲む日々』)と、この「全集読破日記」の二つだけ。だったのだが、これに加えて今日、新しい企画書を作った。

 もちろん実際に進むにつれて内容が企画書と変わってくる部分も多い。『言葉に棲む日々』に関しては企画書から〈本〉になるまでの日が短かったこともあり、企画書そのものが突貫工事だったにしては、けっこう内容が最後まで生きている。でもどちらかといえばこれは例外なのではないかと思う。

 一方で「全集読破日記」の方は、いまの時点ですでに企画書(昨年11月15日の日付が付いている)から変わっている内容も多い。もっとも、綿密な企画を立てるわけではなく、やってみないとわからないことだらけであるから、ズレるのが当たり前のことではある。

 それでも、企画書を作るというのは(まだ三つしか作っていないけど)、一つの区切りになる。形として残るというのもいい。

 未確定要素満載ながらも具体的な内容や数字を書いてみると、──たとえ結果的にそれとは全然違うものになったとしても──なんとなくの〈像〉が思い描ける。なんとなくであっても、目標(あるいは〈目標のようなもの〉)が見えると、進み出しやすくなる。

 この『労働者のための漫画の描き方教室』、読んだのが2018年夏で、それ以来きちんとは読み返していない。読んだ当時は自分で〈本〉を作るなんて考えてもいなかったが、作っているいま、読み返してみたらだいぶ違った印象を受ける気がする。

 読むタイミングによって得るものが変わってくるから、いつでも読めるように、本は手元に置いておきたい。もっともこの本、事情があって二冊所持している。もちろん、二冊同時には、読めない(たぶん)。