2月23日|『水木しげる漫画大全集』を読む日々 vol.030

 vol.30だそうだ。毎日更新しているわけではないし、特定の曜日に更新しているというわけでもないから、だからどうした、というところではあるが、こういうキリのいい数字はやはり目につく。2月23日は1月1日から数えて54日目なので、僕がノートにつけている日記は、今日で今年のvol.54ということになる。そのうち半分以上の日でこのブログも更新していると思えば、僕の感覚ではずいぶんと更新しているという気になる。


 『水木しげる漫画大全集』を少しずつ読み進めている。まだまだ、貸本の世界である。

 貸本マンガには短編誌ブームというものが存在した。あくまで貸本であって、貸本のルートで貸本屋に卸されていた(つまり原則として一般書店には並ばない)が、定期に近い形で刊行されていたタイトルもあり、たとえばブームの源流となった『影』は約10年間続き、別冊も含めると200巻以上が出たという。

 短編誌なので基本的には読み切りが多かったようで、執筆陣も必ずしも固定ではなかったようではあるが、いまの感覚だと、一部の貸本短編誌は雑誌にも近いイメージを想像する。


 僕は一度、連載というものをやってみたいと思っている。

 この全集読破日記は、連載といえば連載なのかもしれないけれど、更新タイミングもまちまちだし、リアルタイムで進行する日記なのだから、それはその特性上連載のようにしかなりようがない。その意味で、僕の思い描いている「連載」とは少し違う。

 全集もそうだし、日記もそうだと思うけれど、連載も、特にそれが長く続けば、その作者・作品の変遷が〈よく見える形〉でたどれて楽しいものだ。

 連載は難しいもの、あるいは時によれば苦しいものというイメージがつきまとうけれども、連載によって得られるものが作者の側にも大いにあると思う。

 僕が何かをはじめるとき、そこには「やってみたい」という気持ちが大きく関わる場合が多い。何かが得られるかどうかはわからずに、というかそういう意図を持たずにはじめることばかりだが、結果的に得られたことも多い。「やってみたい」という打算なき、あるいは後先を考えない好奇心は、できるだけ長く持ち続けたいと思っている。