3月25日|『水木しげる漫画大全集』を読む日々 vol.041

 風邪をひきはじめていると感じるといつも、クラムボンの「風邪をひいたひょうしに」という曲名を思い出す。

 そこから少し進んで、ふらふらしはじめると、カネコマサルの『ふら・ふろ』という漫画を思い出す。思い出すたびに読んでいるから、おそらくここ10年で5回ぐらい読んだはずだ。金欠のアパートの管理人の女子2人が主人公で、1回8ページ、基本的には何も起こらない平和な漫画だ。

 ふらふらで思考力が落ちているときに、ふと「ふらふろ」という言葉が頭をよぎり、ページを開く。集計はしていないけれど、ここ10年で5回も読んだ漫画は他に思い浮かばないから、読み返した回数は歴代でもかなり上位だと思われる。


 風邪すらも自由にひかせてくれない世界で、目の前には期末と〆切が迫り、昨年の夏以来の、夜になると微熱が出るという症状が出ている。昨年と同じく、入浴後から翌日の日中は平熱で、ふくらはぎが病的に細くなっていると感じるのも同じだから、原因は不明だが、自律神経の不調を疑っている。とりあえずは外を歩こうと思う。歩きやすい季節にもなってきた。

 微熱は出ても読書は進み、多少予定よりは遅れているものの、『水木しげる漫画大全集』は通巻017まで来た。戦記物シリーズの折り返し地点で、当然のことながらほとんど完全に暗い気持ちになる話しかない。それでも、絵の上手さはこれまでで一番感じていて、当たり前の話で恐縮なのだけれど、水木しげるは絵が上手いなあといまさら感じながら読んでいる。いや、ほんと、失礼なほど当たり前の話なのだけれど。