4月29日|『水木しげる漫画大全集』を読む日々 vol.046

 以前、決まった枠に収まるようにピースをはめ込んでいくパズルゲームのような仕事をしていたことがある。22歳の頃に毎日12時間を超えるタフな(やくざな)訓練を行なった結果、僕はわりあいこの仕事が得意になって、あるテクニックには僕の名前が付けられたりもした。

 本棚に本を"収める"というのも、パズルゲームに似ている。もちろん本に対して棚の容量があり余っていればそこまで悩むことはない。けれども逆の場合は、こだわりと、妥協と、諦めとを天秤にかけ、押したり引いたり工夫を繰り返す必要が出てくる。まあ、そこが楽しい、ともいえる。

 だいたいにおいて棚も本も融通のきくものではなくて、あと1ミリのところで入らなかったり、シリーズが増えた結果うまく入っていたものが入らなくなったりすることになる。僕などは休みのたびに部屋の片付けをしているけれど、部屋の片付けには必ず本の整理も含まれているから、年がら年中本棚をいじくっている。ガウディ建築のようだというか、代々受け継がれるているぬか床のようだというか。

 この問題を解決できる巨大なスペースと本棚の登場を夢想しつつ、かといって本棚があんまりスカスカだったら、それはそれで心細くなりそうだというのが、因果なものだと思う。

 さて、先日『水木しげる漫画大全集』の通巻044と045を購入して、これで鬼太郎シリーズがすべて揃った。読む方はといえば、通巻028の「ガロ」掲載分まで読み終わり、次号は「マガジン」に載った鬼太郎で、いわばメジャーデビューだ。

 全集はずっと順不同で買っていたので、いたるところに「歯抜け」ができていて、その抜けている部分が埋まるたびに小規模な配置転換が行われ、時々、やや大きな並び替えが発生している。

 それでも通巻001から048までは連続で揃い、未購入は残り27巻なので全体の4分の3までは揃ったことになる。

 残りの巻を置くスペースは確保している。そのスペースを別の本で埋めてしまう前に揃えばいいなと思っている。