6月2日|『水木しげる漫画大全集』を読む日々 vol.053

 疲労が溜まりすぎて力尽きてしまった。半分はヨーロッパのスポーツ中継を連日深夜まで観戦したことによる睡眠不足が原因なので、「過労」とエラそうには言えないのだけれど、あそこまで心身ともに困憊となったのは実に久しぶりな気がする。両脚のふくらはぎが異常に重く、「疲労の塊」のようなものがくっついているようだった。

 とにかく休むことにして、足湯に浸かり、白湯を飲み、それから布団でうつらうつらした。外光は明るく、風は心地よく、向かいの解体現場からは異国の言葉が聞こえていた。夢か現かという感じで目を覚ますと、疲労はほとんど抜け落ちていた。ふくらはぎも軽くなっていた。元気100倍アンパンマンという感じだったが、そもそも自分が非常に危ない状態にあると気づいたのは、前日、シャワーを浴びていて、いつの間にか何かのフレーズを繰り返し口ずさんでいて、それが「アンパンマンのマーチ」だと気づいたときだった。無意識のアンパンマンに、このままだと現の世界からバイバイキンする予感がした。バイバイキンほどでないにしても、どこか「感じ覚え」のある精神的感覚があったのはたしかで、あのまま放っておいたらもっと大ごとになっていたかもしれない。


 足湯に浸かりながら、鬼太郎たちが世界の悪い妖怪を退治する『鬼太郎の世界お化け旅行』を読んだ。全集の次の巻はなんと『週刊実話』(!)に連載された鬼太郎が掲載されている。「鬼太郎」の特徴の一つとして、いろんな出版社の媒体で発表されていることが挙げられるが、正義のヒーローだった鬼太郎の世界に女性の裸体がポンポン登場するというのは、なかなか衝撃だと思う。

 ところで、『鬼太郎の世界お化け旅行』において鬼太郎一行はヨーロッパも訪れているが、実は来年からEUのサマータイムが廃止されそう(される?)ということを先日知った。それがどうしたと思うなかれ。つまり、夏時間のヨーロッパと日本の時差がこれまでよりも1時間広がるということで、つまり、これまで日本時間の深夜0時に終わっていたヨーロッパのスポーツが来年からは1時に終わることになり、今の時点で1時に終わっていたのであれば終わるのが2時になることを意味する。この時間帯の1時間は大きくて、どのように健康を維持しつつ中継を最後まで見るか……名案があったら知りたい。