お気をつけください

 先日、祖母と家にいたら、玄関チャイムが鳴りまして、インターホンのカメラには見知らぬ若い男性が映っていました。祖母が出たところ、男性はすでに玄関前に立っていて、口調からするとどうやらセールスの様子。老婆一人と思われると治安上よくないので僕も出てみると、「あ、お兄さん、そこから見えるかな」となぜかタメ口。基本的に初対面でタメ口の人は信用しないことにしているので不信感は高まるばかり(医者はOK)。あと勝手に門を開けて中に入ってきていたのも不信感。

 話を聞くと、どうやら何かを売りつけたいわけではなく、リサイクルショップを開くので何か買わせてくれとのこと。何もないと伝えても「このテレカはね、その公園の前の家で3,000円で買わせてもらったの」だの、「こういう古いヴィトンなんかもね、今ならキャンペーンで4,000円で買わせてもらいました」だのと食い下がりますが、お引き取り願いました。ちなみに本当にリサイクルショップが開かれるのかは不明。「若い人を応援してあげたいとは思うんだけど、売るとなると面倒だからね」と祖母。僕は、1軒1軒回るの大変だなという気持ちと、あれは詐欺なのかなという気持ちが半々ぐらいでした。

 話は変わりますが、最近我が家のあたりの電柱やポールに、新築住宅情報と電話番号が書かれた紙が(勝手に)貼られています。顔を隠したグラマラスな熟女の写真に「個人パートナー募集」と書かれたチラシと同じような、「誰が電話するねん」系のあれです。

 実は僕はあれを貼っている現場に遭遇したことがあります。T京S並区のK円寺を歩いていたら、スーツを着た細身の男性が封筒を手に、早足で向こうからこちらへ歩いていて、電柱や標識のポールがあるたび、足を止めることなく封筒を貼り付けていました。漫画で見るスリの手の動きのようなその早業は餅つきの上手い人を思わせて、ついお餅が食べたくなったのでした。道を間違えなければいい餅つき師になれただろうに。

 みなさんも、うまい話に引っかからないようにお気をつけください。あと、うまいお餅も喉に詰まらせないようにお気をつけください。