9月11日|『水木しげる漫画大全集』を読む日々 vol.067「蔵書リスト」

 ときどき、素朴な疑問として、何冊の本を持っているのだろうか、と思うことがある。

 もちろん数えれば答えの出ることではある。けれども、それはなかなか骨の折れる作業になる。面倒くさい、というのが本音だ。

 一昨年から、購入した本をリストにしている。僕は家計簿をつけているので、家計簿をつけるついでに、買った本の情報も書くようにしているのだ。タイトル、著者、購入日、購入場所、出版年、定価と購入金額などの情報を記録している。

 リストの内容はともかく、リストにしているので、去年と今年で何冊の本を購入したのかはわかっている。あまり細かく数を出すと家庭内不和につながるおそれがあるので、ここではあえて数を秘すけれど。


 蔵書リストや目録といったものが好きで、眺めているだけで楽しい。作るのも楽しい。本の購入リストを作りはじめた理由は忘れてしまったが、楽しそうだという理由が一番先にあったのではないかと思う。リスト作りというのも、こつこつ系の作業だ。

 これまた前々回の話とつながるが、もしも蔵書のシェアという話になれば、リストというのはあって邪魔なものではないだろう。そんな意図でリストを作りはじめたわけではなかったけれど、役に立つものになればうれしいし、なんだかトクした気分になる。

 もっとも、一昨年までに買った本はリストになっていないわけで、全蔵書を網羅したリストを作るとなると、これはもうたいへんな仕事になる。やりたいとも思うが、そこまでやれる自信はない。

 持っている本の数を知ったところでそれが幸せかという問題も出てくる。どんな数にしたって、「なんだこれだけなのか」とか、「こんなにあるのにいったい俺はそのうち何冊を読んでどれだけのことを吸収したのか」とか、余計なことを考えてしまいそうだ。労多くして、得るのはネガティブな感情となっては、目も当てられない。

 知ってどうする。知りたいけど、知りたくない。そんなことを考えるうちに、本の数が着実に増えていることだけは、はっきりしている。